気候イベント
中世の温暖期は太陽の活動の中世の極大期(AD1100~1250)と呼ばれる時期と部分的に一致する。 メリーランド州のチェサピーク湾の研究では、中世の温暖期(AD800~1300年)と小氷期(AD1400-1900年) の間に大きな気温の変化があるのが発見され、北大西洋の熱塩循環強度の変化との関係が指摘されている[2]。ハドソン川渓谷の下流にあるピアモント湿原の堆積物からは、中世の温暖期(AD800~1300年)には乾燥していたという証拠が得られた。 この時期アメリカ西部の多くの地域、特にカリフォルニアやグレートベースンでは長期の旱魃の影響が見られ、アラスカではAD0~300年と850~1200年、1800年以降の3回の温暖化が認められている。 放射性炭素年代が得られているサルガッソー海の海底試料の分析結果では、約400年前(小氷期)と1700年前は表層海水温が現在よりおよそ1℃低く、1000年前(中世の温暖期)には1℃高かったということが示されている[3]。 赤道東アフリカでは、それまで現在より乾燥な気候と比較的湿潤な気候が繰り返されていたが、中世の温暖期にあたる時期(AD1000~1270年) にはより乾燥した気候へと変化した[4]。 南極半島の東ブランスフィールド盆地で得られた氷床コアにも小氷期と中世の温暖期が認められるが、紀元1000-1100年の頃に明らかな寒冷期が見られる。 これらのことから、中世の温暖期という言葉が一様な出来事を示すのではなく、温暖な時期の間にも、地域的に温暖だったり寒冷だったりしたこともあったということがわかる[5]。 熱帯太平洋のサンゴの分析結果では、比較的冷涼で乾燥した状態が千年紀初期まで続いており、この変化はENSOパターンのラニーニャのような形状と調和している[6]。
